439/999 GBA02246 但聞 響 RE:初心者が理解しやすい本は？
( 9) 95/11/02 02:45 429へのコメント

はじめまして＞ ねるとん さん

　このところ仕事が忙しくてＲＯＭモードに転落している 但聞 響 でございます。
よろしくお願い申し上げます m(_ _)m。

　私も文系で、回路のことがわかっているのかいないのか自分でもわかっていない
というよくわからん人間ですが、Ｖ−ＦＥＴ完全対称アンプや、逆裏金田アンプな
る怪しげなものを作って楽しんでおります（どんなものかは過去ログをご参照くだ
さい）。

|ですから、本当に基本的な事項を分かりやすく、しかも、様々な概念相互の関係に
|ついても理解しやすく説明した本がありましたら紹介してください。

　う〜ん、私の感じでは本はもう充分なのではないかという感じがします。理系の
人間はどうせ文系の人間にもわかるような文章なんて書いてはくれません（いてて
っ(☆_*)、石投げないで〜）。と、いうか、電子回路なんてものは本で理解するも
のではないのじゃないかと思います。文系としてはここで一発、ウィトゲンシュタ
インの言葉を出してみます、「言語の意味とは使用である」。言語じゃありません
が電子回路は作って電気流してみて「あっそうか」の世界だと思います。
　私の経験では、素子の特性を取ってみることが、なんだか回路がわかった気にな
ってくる始まりでした。これ、あまりにも基本的すぎて失礼にあたる提言だと思い
ますが、もしやったことがなければ一度はやってみると良いと思います。
　まずは2SK30ATMの特性でも取ってみましょう。 ＶDS用とＶGS用に006P 9Vの乾電
池を５〜６本、これらの電池をつなぐためにプラス側とマイナス側の独立している
スナップを二組み、そして10K〜50K程度の可変抵抗、そしてドレイン抵抗用に10Ω
〜1KΩ程度の抵抗を用意し、特性を取るための回路を組んでみましょう。窪田さん
の『半導体アンプ製作技法』なら３２ページの図でしょうか。ただし2SK30ATMなら
デプレッション特性ですからＶGSを作るための電池はプラスマイナスが逆、 30V電
源は使わず、最初006P一個から始めます。金田アンプを作るとなるとどうせ半導体
素子の選別に必要になりますからテスターは２台用意しましょう。安いもので良い
ですからデジタルにしましょう。どこが何Ｖの時、どこがどうなるか、グラフ用紙
にプロットしていきましょう。ひととおり感じがわかったら、電源を006P二本にし
ましょう。それが済んだら３本、４本と素子の定格以下でいろいろやってみましょ
う。石をとばしても数十円の素子ですからいろいろやってみましょう。
　これやると、３本足の素子（ここではFETですが）は、どこにどういう電圧（FET
だからですけど）がかかればどうなるか、完全にわかった気になります。「そうい
うものなんだ」ということが実感できるまで遊びましょう。
　さて、次は回路図です。どの石に何ボルトがかかり、どう変化するとどうなるの
か、自分で採った特性表（図）を見ながら、考えていきましょう。そういう値しか
とることができないんだ、ということが、納得できると思います。回路図を大きめ
の紙に書き、どこからどこまでが何ボルトか書き込んで、ちょっと増えたら・・・、
減ったら・・・、とやれば判りやすいと思います。できるだけ簡単な回路図を見つ
けて何回かやっていけば、途中からはもうこんな手間はいらなくなるでしょう。ま
ずは懇切丁寧な説明がしてあることが多く、動作も簡単な窪田アンプの２段目の設
計でも読んでみれば良いでしょうか。あとは鈴木さんの本でも読んでいけば、どん
な回路で何が起こるか、充分見当がつくように（というか、設計もできるように）
なると思います。それから金田氏の本でしょうか。
　ほんとはこのほかに、スピーカーのネットワークをいろいろいじってみればＬや
Ｃについても実体験に基づいた実感が形成されるので、２０センチと１０センチの
フルレンジを（６dB/octだけじゃなく）いろいろなネットワークでつないでみる実
験とかやってみるともっと良いと思います。

　　　　　　　　　　　あまりにもプリミティブですいません m(_ _)m 但聞 響

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